KUMONの直営教室で10年ほど先生を経験され、現在は事務局で、くもんの先生をサポートする立場にある牛嶋さん。これまで、数多くの先生や生徒を見てきた牛嶋さんが、くもんの先生が子どもたちにとってどういう存在であるべきかについて語ってくれました。
くもんの先生の仕事は、子どもたちの背景を知ることから始まった
私が、KUMONの教室で指導をすることになったのは2001年。その教室には、10年7ヵ月間、先生として勤務しました。
赴任当初、私が一番不安に感じたのは、子どもたちの背景をよく知らないまま、KUMONの教材を準備することでした。
くもんの先生は、子どもたちに教材を順番通りに渡すだけだと思われる方がいらっしゃるかも知れませんが、実際はそうではありません。
子どものプリントの解き方や読み方を確認するとともに、「レベルがどんどん上がっていくと身構えてしまうお子さんなんじゃないか」「スポーツでもいろいろ挑戦しているから、新しい教材にもしっかりチャレンジできるんじゃないか」など、子どもたちが今どういう経験をしているかを理解しながら、ちょうどの教材を毎回提供していく必要があります。ですから、子どもたちの背景を知るか、知らないかで大きく変わってくると思います。
例えば、野球をやっているお子さんが、うまくキャッチボールができるようになって自信をつけている。それなら、KUMONでも新しい計算にチャレンジして勉強でも自信の柱を立てられるんじゃないか、と提案できる。子どもたちは勉強以外でもいろいろ経験をするわけですが、勉強とそれ以外の生活がしっかり重なっていくものだと考えています。
くもんの先生に必要なのは、子どもたちのために学ぶこと
公文式は、先生が主体ではなく、学ぶ子どもたちが主役です。
子どもたちの学びをうまくサポートすることが、くもんの先生の役目。
ですから、うまく教えることが求められる学校の先生とは役割が少し違います。
くもんの先生方にもお話をするんですが、先生の役割として3つ大切なことがあります。
1つ目は、「子どもたちにちょうどの学習を提供すること」。
まずは、教材のことをよく理解し、子どもたちの背景を知ることが大切です。
2つ目は、「子どもたちのやる気、目標にしっかりと寄り添うこと」。
子どもたちはもちろん、保護者の方が抱える悩みに向き合うことも大切です。
3つ目は、「集中力・作業力を身につけさせること」。
背中を押すタイミングを考えて、成功体験に語りかけていくことも必要です。
くもんの先生は、基本的にこの3つを研ぎ澄ませることが大切ですが、自分の教室だけでは解決できない場合もあります。そんな時は、近くの先生同士が集まって、どう解決したらいいか相談をしたり、事務局が集まる場を設定して教材を見ながら理解を深めたり、さらには全国の先生が集まって研究大会を開催したり、つねに先生たちは学びを続けています。
KUMONには、子どもたちの学習を伸ばすためにいろいろと研究しながら、先生同士が切磋琢磨する仕組みが整っていると思います。
くもんの先生は、子どもたちの人生の伴走者になれる
くもんの先生は、例えば2歳から小学校6年生までの10年間のように、子どもたちの人生に大きく関わることができるので、学校の先生とはちょっと違うかもしれません。例えるなら、小さい頃から長く指導してもらうピアノの先生のような感じでしょうか。
このように、子どもたちの成長を点ではなく線で見られるのは、くもんの先生にとって大きな強みだと思います。
私も教室を離れて8年が経ちますが、教え子の大学合格の報告や就職の報告を受けますし、街で偶然出会った教え子に「今度飲みにいきましょう!」と誘われることもあります。
また、教え子の結婚式に招待されて主賓のスピーチまでさせていただき、恩師という言葉でご紹介いただけることもあります。
保護者の方にとっては、一緒に子育て期間を歩んでくれた存在というか、成長を報告したい存在になれていることに、驚きもありますし本当に嬉しく思います。
くもんの先生は、覚えないといけないことも多く大変なこともあります。でも、子どもたちを一生懸命指導したことが、人の成長と感謝になって返ってくる。その返ってくるものが、あまりにも大きいものなのです。
くもんの先生は勉強を教えるだけではなくて、子どもたちの成長に寄り添って人生の伴走ができる。それが一番の魅力なので、これからも1人でも多くの先生方に伝えていければと思います。
※社員の所属名・役職は掲載時のものです。